新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として 厚生労働省 首相官邸 のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

集えない現在から動き出す、アート・アクション

人が動き、人と集い、人と交流することで、表現を紡いできたアートプロジェクト。しかし現在では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、人と人が集まって活動すること自体が難しくなっています。

それでも、そんな現在だからこそできるアクションもあるのかもしれません。それは例えば、息苦しさや孤独、不安、不便さ、分断のやるせなさに、アートらしく寄り添うかたちで。

今回は、これまで私たち東京アートポイント計画が関わってきた人や組織のなかかから、動きはじめたアート・アクションの一部をご紹介します。

*本記事は、アーツカウンシル東京ブログ「東京アートポイント計画通信」(2020/4/20公開)より転載しています。

ちょっと誰かに聞いてもらいたいことを送る「ちょっとお手紙プロジェクト」(NPO法人アートフル・アクション)

画像1

「小金井アートフル・アクション!」を共催しているNPO法人アートフル・アクションでは、4月16日から「ちょっとお手紙プロジェクト」をスタート。

郵送でも直接投函でもFAXでもメールでもなんでもOK。英語でも大丈夫です。ちょっと聞いてほしいこと、つぶやきたいことを送ると、有志による「チームおてがみ」からお返事が届く仕組み。

孤独を感じていたり、誰にも言えない感情を抱えていたり、SNSに疲れてしまった人のつぶやきの受け皿になります。詳しくは公式ウェブサイトでお知らせしています。

おうちの中にアトリエの時間を創る「リモート版 ぐるぐるミックス」(一般社団法人谷中のおかって)

画像2

「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」から生まれた、こどもとおとなが一緒になってあそびを生み出す創作教室「ぐるぐるミックス」(主催:一般社団法人谷中のおかって)では、「リモート版 ぐるぐるミックス」の試みがはじまりました。

「リモート版 ぐるぐるミックス」は、新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて、1学期(5月〜7月)の活動を、Zoomを活用したリモートプログラムに変更したもの。

参加者には、開催日までに「ぐるぐるキット」配送され、開催時間になるとZoomによって講師を担当するアーティストたちのアトリエと繋がり、オンラインで創作の時間をともにする「共同アトリエ」を実現。アーティストから手渡される魅力的な遊びの種を、参加者たちは独自に発展させ、そのワクワクやドキドキを共有しながら創作活動に取り組みます。

通常は1年間の通年プログラムですが、今回は特別に1学期だけの参加も可能です。詳しくは公式ページでご確認ください。

外国籍等の方々へ情報や必要なサポートを届ける緊急プロジェクト”Share”( 一般社団法人kuriya)

画像3

「Betweens Passport Initiative」を共催した一般社団法人kuriyaでは、新型コロナに伴う影響の対応として、外国ルーツの高校生とその保護者へのサポートを行う緊急プロジェクト”Share”を立ち上げました。

kuriyaはもともと、外国にルーツのある若者の支援をしてきた団体です。今回のプロジェクトでは、東京に在住する外国ルーツの保護者・高校生を対象に、新型コロナに関する情報収集の壁や、生活の困りごとについて、ニーズ調査のアンケートとヒアリングを実施。その調査結果を公開しました。レポート結果は 「とどけるプロジェクト」で紹介されています。

また、SNSや英語でのニュースを情報源にしているというレポート結果を受け、特別定額給付金に関する情報のシェアを始めました。給付金の申請や仕組みについて英語と図解でわかりやすくまとめられた資料は、Facebookページの投稿からご覧いただけます。多言語センターFacilによる英訳文と合わせて参照ください。

この日々に向き合う小さなラジオ番組「小森瀬尾ラジオ」(小森はるかさん+瀬尾夏美さん)

画像4

「Art Support Tohoku-Tokyo」「Tokyo Art Research Lab」の参加アーティスト・小森はるかさんと瀬尾夏美さんが、「小森瀬尾ラジオ」と題して音声配信を定期的に続けています。

「小森瀬尾ラジオ」は、日々変わる情勢を見つめ、その変化について話しながら記録することをめざした番組。聞く人にとっては「いつもどおりを感じられる場所」として、たんたんとゆるく、聞き流せるようなおしゃべりの様子が配信されています。

ふたりが取り上げる大小さまざまな出来事や、人の姿、感情を聞いていると、おなじときを異なる場所で過ごす人と人のつながりを感じられるかもしれません。番組はTwitCastingで毎週水・土曜日の22時から配信中。アーカイブも聞くことができます。また、瀬尾夏美さんは自身のFacebookで絵と言葉のシリーズ「#コロなか天使日記」も更新されています。

ゆるくて楽しい時間をお届け「ダメパンダ YouTubeチャンネル」(開発好明さん)

画像5

「三宅島大学」参加アーティストの開発好明さんは、緊急事態宣言後から「ダメパンダ」としてYouTube動画を日々更新中。

ダメパンダは「飼育係の方が自粛要請で2ヶ月休みなので自活を始めるのだパンダ」とのこと。「あ、ダメ工作をやるよ」「び、美術のおべんきょうやるよ」「と、友人とお話しするよ」の3つのカテゴリーで、ゆるくて楽しい時間をお届けしています。

自宅にこもる時間を斜めの方向にずらしてほぐす、ダメパンダの日々はこちらのYouTubeチャンネルからご覧いただけます。

教育の現場はどうなる? 教育者と研究者の立場で考えるブログ「かんガエル」(加藤文俊さん)

画像6

「三宅島大学」「Tokyo Art Research Lab」に参加されてきた社会学者・加藤文俊さんは、慶應大学SFCの教授としてフィールドワークを教えられています。

今回の事態を受け、オンライン化を余儀なくされた大学の授業をどうするべきか、日々起きたこととその試行錯誤をブログで記録されています。学びとは何か、教育とは何か、集うことの意味とは何か。

これまで当たり前であった「大学」という場を、教育者と研究者という双方の立場から見つめる記録です。生活や仕事のかたちを否応なく変えざるをえない今日このごろ。「先生の目」でその変化を共有する記事は、ブログ「かんガエル」内の「コロナと大学」カテゴリで更新されています。

おうちでつくった工作や料理を紹介するウェブサイト「おうちでTutti展」(アトリエTutti)

画像7

「Artist Collective Fuchu [ACF]」の運営メンバーである西郷絵海さんは、自身が運営する「アトリエTutti」のウェブサイトとInstagramアカウントでオンライン展覧会をはじめました。

オンライン展覧会「おうちでTutti展」では、アトリエを休止している間、おうちでつくったものを紹介する企画。工作や絵画に限らず、手芸やお料理など、一人で作ったものから、兄弟、家族と一緒につくったものなど、広く紹介されています。

おうちで楽しむ「つくる」の様子が伺える作品群は、公式ウェブサイトInstagramアカウントでご覧いただけます。

誰も訪れることのできない所在地不明のギャラリー「プラウ・イソラシ(孤島)」(北澤潤さん×小鷹拓郎さん)

画像8

「アーティスト・イン・児童館」や「Tokyo Art Research Lab」などの参加アーティスト・北澤潤さんと、「TERATOTERA」参加アーティスト・小鷹拓郎さんは、4月2日、アートギャラリーの開設を共同で宣言しました。

インドネシア・ジョグジャカルタを拠点に活動する2作家によるギャラリーの名は、「プラウ・イソラシ」(インドネシア語で「孤島」)。誰も訪れることが出来ず、作品の搬入搬出も輸送でしか行なえません。

この実験的なギャラリーは、新型コロナウイルス感染症に関する事態の収束が訪れた時点で「閉鎖(lock-down)」します。その日はいつやってくるのでしょうか。活動に関する最新情報はFacebookページでご確認ください。

不自由であるということを知るための記録「不自由さの観察」(アサダワタルさん)

画像9

「小金井アートフル・アクション!」「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」「Art Support Tohoku-Tokyo」「Tokyo Art Research Lab」など数々のプロジェクトでご一緒してきた文化活動化のアサダワタルさんは、4月6日からウェブサービス「note」上で新たな記録活動を始動しました。

シリーズタイトルは、「『不自由さ』の観察 ーコロナと私とこの世の断片ー」。“この状況が「不自由だ」と思っている自分が、実はその思考の大元で、そもそも「不自由」であるということを知る。(中略)「外」に発信する前に、「内」を徹底的に見つめる作業にあててみるのも悪くないだろう。”(アサダさんのFacebook投稿より)

今、誰もが感じている「不自由」の正体は何なのか。アーティストともに考えを深めていく時間を過ごすのもいいかもしれません。記事はアサダワタルさんのnoteで公開されています。


以上、東京アートポイント計画に関わる人や組織のアート・アクションをご紹介しました。これらの活動は、ほんの一部です。

東京アートポイント計画では、今後も個々の活動をサポートし、今求められるアートプロジェクトのかたちを探っていきたいと考えています。

▼Facebookでも最新情報を更新中

▼毎月メールニュースも配信中


▼東京アートポイント計画のアートプロジェクト一覧はこちらから


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

ありがとうございます^^
35
東京都内各地で地域NPOとともにアートプロジェクトを展開する試み。noteではプロジェクトの舞台裏での試行錯誤や、現場の記録をお届けします。 https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/what-we-do/creation/hubs/

こちらでもピックアップされています

”集えない”時代のアート・アクション
”集えない”時代のアート・アクション
  • 4本

新型コロナウイルス感染症拡大によって、人と人との距離が求められるようになりました。アートプロジェクトは集えない時代にどんなアクションができるのか? 東京アートポイント計画にまつわるアーティストやチーム、プロジェクトの新たな試みをご紹介します。